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工場跡地は要注意…不動産取引での汚染土地の財産価値

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バードレポート 2002年7月1日 第406号

大阪では建築途中のマンションが取り壊されました。
その敷地が大量の有害物質に汚染されていることが発覚したためです。土地売買契約無効や損害賠償の問題が当然生じます。

汚染土地に対する状況の変化


外資による不動産取得にあたっては、土地建物に有害物質が含まれているかのデューディリジェンス(物件調査)が当然のように行われます。汚染された不動産を取得すると大変です。将来転売したときに新たな買主から訴えられることにもなります。近年の外資による不動産取得が増加したことにより、この考え方が国内でも一般化しました。

そして最近は工場跡地が次々とマンション敷地等に変っていきます。かつては売りに出される工場用地が少なかったから、不動産売買での汚染土地の問題も少なかったのでしょう。

今は大量の工場用地が売り物件になります。万が一、新たな購入者の健康が損なわれたなら大変なことです。

狂牛病問題や違法添加物問題で国民が敏感になりました。「当社工場は安全な土地に建てられた安全な建物です。」といえなくてはいけません。工場用地の取得でもきれいな土地が求められます。「安全なマンション」もまず敷地からでしょう。

土壌汚染対策法が国会通過し、2003年1月施行見込みです。有害重金属等を蓄積した土壌に対する社会的な対策を定めます。

法施行以降では、有害物質を使用した工場を閉鎖するときには、原則としてその敷地についての土壌調査と自治体への報告が義務付けられます。


また汚染土地については指定区域として指定がされます。そして自治体は土地浄化等の命令ができるようになります。

汚染の可能のある土地の売買


不動産取引において売買された土地が汚染されていたならどうなるでしょうか。
瑕疵担保責任の対象となるでしょう。つまりキズものの土地です。買主は損害賠償を求め、土地浄化工事を土地の売主に求めます。買主はそのキズが原因で目的を果たせなかったなら、例えばデベロッパーがマンション分譲をできなくなれば、売買契約無効を求めるでしょう。


もしマンション分譲後になってこのキズが判明したなら消費者からデベロッパーが訴えられます。そしてそのデベロッパーは土地売主を訴えます。

土壌入替工事等の土地浄化費用が土地価格を上回る土地もあります。損害額を事前に予測できないことも多いようです。

不動産仲介業者だって無傷で済むとは限りません。不動産取引は土壌汚染対策法施行とは直接関係しませんが、法施行によって不動産業のプロとして土壌汚染問題への気遣いが要求されて当然です。


宅建業法そのものに土地汚染の規定はありません。しかし化学工場用地だったのであれば、それは重要な事項のひとつであることは間違いありません。専門家として見過ごせません。

なお汚染土地や汚染調査未了土地の売買や仲介は可能です。しかし、それなりの対処をしないままなら将来の損害賠償の対象にもなるでしょう。

そして不動産鑑定評価基準が改訂されて、土壌汚染への対応が規定されます。鑑定士は土壌汚染の有無などを実地調査や聞き取りや資料閲覧等で確認しなくてはなりません。そして土壌汚染があれば価格に織り込むことになります。

化学工場・メッキ工場・産廃


その土地がどうして汚染されたかは様々な原因があるでしょう。現況が工場なら分りやすいのですが、ずっと昔に工場だったり、不法投棄がされた更地だったり。また埋立地であればどこから来た土壌か分りません。

化学工場やメッキ工場の敷地跡地、あるいは産廃処分地を財産として所有していることはかなり危険なことなのかもしれません。土地汚染の可能性には気をつけなくてはいけません。


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