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個人情報保護法は2005年4月施行…顧客情報への戸惑い

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2004年12月13日 第524号

個人情報保護法が2005年4月から施行されます。

法律で規制の対象となるのは、5000人超の個人情報データベース等を使って事業をしている事業者です。これに該当すれば法の規制を受けることになります。


DMの送付だけであっても


例えば法律は「個人情報を取り扱うに当っては、その利用目的をできる限り特定しなければならない」と規定しています。

見込み客に簡単なアンケートに答えてもらって住所氏名を知ったからといって、そこに勝手にDMを送ると問題が生じることになります。アンケートの際に利用目的として「DMを送るため」と事前に顧客に伝えなくてはいけないのです。

「うちは、5000人超もの個人情報データベースを使っていないから」。もしも不動産業界でレインズ等の業界での物件データベースを使っていれば、それだけで5000人超の情報になります。未確定ですが、それだけで該当することになりそうです。

見込み客に住所氏名を買いてもらうときには、「物件案内やDMを送らせていただきます」等を伝えなくてはなりません。

銀行の保険窓口販売


先行してこの問題に直面しているのは銀行です。銀行窓口での保険販売で同様の問題に直面しています。

「銀行業務で知り得た顧客に関する非公開情報(顧客の預金、為替取引、資金の借入れ等に係る情報その他の特別の情報)が保険募集に利用されることにつき、事前に当該顧客の書面その他の適切な方法による同意がある場合を除き、この非公開情報を保険募集に利用してはいけない。(保険業法施行規則211条)」

銀行としての取引情報を無断で保険募集に使ってはいけないのです。銀行による顧客への圧力販売禁止のための規定です。

偶然に店頭に来た客に保険商品を販売するのならば問題になる余地はありません。

しかし既存客に対して、「この顧客は預金や借入が多いから保険商品を売ろう」となれば、大いに問題です。預金情報という「非公開情報」を保険募集に利用したことになります。


もちろん事前に書面で「私の預金情報を保険募集に利用しても結構です」という同意があればいいのですが。

銀行は変額年金保険を売りまくっています。窓口に自らやってくる顧客ばかりではありません。銀行の渉外営業マンがパンフレットを持って既存顧客に販売します。非公開情報利用の境目は難しいでしょう。

ある銀行支店に保険販売についての検査がありました。保険契約書の枚数と「私の預金情報を保険募集に利用しても結構です」との同意書の枚数がピッタリ一致していて問題になったといいます。

本来なら同意書をとってから保険営業をして、そこから保険契約がでるはず。数が同じということは契約と同時にハンコをとったのではないか…と疑われるのでしょう。

銀行サイドもこの問題に神経質になっています。顧客の預金情報は非公開情報に違いありません。しかし、施行規則で定めている「その他特別の情報」が何なのかは不明確です。

単なる顧客の住所氏名性別はここでの非公開情報ではないだろうといわれています。しかし法令順守で腰が引け、預金情報ばかりでなく単に住所氏名だけですら保険募集に使うことに臆病な銀行もあるようです。

個人情報の扱いへの戸惑い


さて個人情報保護法施行も目前になりました。

どの業界のどの会社も「やってみなけれゃ、分からない」状態のままで、個人情報保護法施行を迎えることになりそうです。

顧客情報について銀行が保険の窓版に際して感じる戸惑いが、すべての業界の戸惑いに広まるのです。

個人情報の扱いに感度を磨きましょう。それを誤れば信用失墜を招くことになります。




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