バードレポート

相続税対策ビジネスの視点(3)…相続税対策失敗事例集

[1]一番上へ [2]前号 [3]次号
2009年10月5日 第755号

ある地主さんの失敗1


「時価2000万円の不動産がありますから、これを現金1億円で買いませんか。相続税評価額が1億円から2000万円に下がりますから…。」

これには引っかからなくても、似たようなものもよくあります。

年間家賃収入が600万円のアパート。いくらで売れるでしょうか。家賃収入に対する利回り6%とすれば1億円です。1億円に対して600万円は利回り6%に相当するからです。

相続税対策で1億円の土地に5000万円でアパートを建築しました。家賃収入は年間600万円、建築資金5000万円は全額借入金。確かに相続税は減りましたが、その相続税を払うためこのアパートを売却します。いくらで売れますか。

家賃が600万円ですから売値1億円です。建築費の借金が5千万円残っているので手取り金額はわずか5千万円。何もしなければ1億円が残ったのに…。

相続税対策は財産価値を下げることではなく、価値を保ちつつ相続税評価だけを下げることです。価値と評価の違いが分からず、売却見込み財産の価値を積極的に下げるのは、「相続対策」ではなく「愚か」といいます。「2000万円の不動産を1億円で買った」のと同じです。

ある地主さんの失敗2


「『相続税を減らすには借金が必要です。アパート建築で借金を増やしましょう。借金を増やすのが目的だから、最高級建物を…。』と提案されその通りやったら借金が返せなくなり銀行が競売を迫ってきて…。」

「こんなひどいプランを言われるまま実行したのですか。借金を増やすのが目的だなんておかしいと思いませんでしたか。」

「親切な営業マンだったんで、全く心配しませんでした…。」

「営業マンも悪いけど、無防備なあなたが一番悪いんです。」

ある地主さんの失敗3


「相続税対策しました。」

「それでその相続税はどのくらい減ったんですか?」

「そこまでは知りませんが…」


これは珍しくない事例です。

「相続税対策しました。」

「もともと相続税はかからなかったんじゃないですか?」

「え、そうなんですか・・・」

笑えないような現実です。

何のことはない、相続税の試算も、対策効果検討もせず、相続税対策をやっています。

「あなたぐらいの方は相続税を心配しないといけませんね」というのは顧客にとり心地よい営業トークなのです。

ある地主さんの失敗4


多くの地主さんの経済観念は不思議です。10万円までのお金には細かくて、支払いに厳しいのですが、億円を超えるお金にはおおらかで、あまり細かいことを言いません。

専門家への相談料数万円をケチります。そのため建設会社や銀行が主催する無料相談会に行きます。タダのものは有効に使ったらいいでしょう。

そして、タダで相談して、気がつくと何億円の建物を発注してしまっています。

10万円までは数えられるので厳しくなり、億円になると見たこともない金額で、わからない金額なので、おおざっぱで、お任せになります。主催者から見ればとてもいいお客さまです。主催者として専門家に払う日当などわずかな営業経費です。

専門家には職業倫理があります。主催者から日当をもらっていてもお客様に嘘はつきません。

ただし考え方次第で方向性がかわることはよくあります。そんな時には「お客様」の利益になるアドバイスをするでしょう。

…分かりますか、専門家にとってだれが「お客様」だかが。もちろん日当をいただく建設会社や銀行が「お客様」です。

そうして何億円プロジェクトが動き始めます。タダほど高いものはない…のかもしれません。

大きな財産について悩んだら10万円までの小さなお金にはおおらかに、億円のお金には細かく厳しく。間違えないように。



[1]一番上へ [2]前号 [3]次号
以下この記事の属する項目内明細…項目一覧は→項目一覧へ
項目:相続税対策申告
不動産の法人化
不動産の法人化
負担付贈与
2015年は相続税パニック前哨戦
相続ビジネス
相続税増税
再開発見込みの贈与
贈与税の時効
合名会社
タワーマンション相続税節税失敗事例
相続税取得費加算
広大地
相続土地への譲渡税非課税枠
同族株式贈与
年内の相続税対策
一般社団法人
売却予定地での賃貸住宅建築
毎年贈与で相続税対策
老人ホーム入居金への贈与税
相続直前出金への相続税
お墓や祭具への相続税
鳩山家の贈与税
子の借金を親が弁済した時の相続税
相続開始年分の贈与は相続税
相続税の連帯納付義務
建物贈与は収益力贈与
建物名義と相続税
取得費加算は遺産分割次第
相続税の取得費加算特例
2年連続の相続税大増税
贈与税脱税で逮捕
相続税対策ビジネスの視点(5)
相続税対策ビジネスの視点(4)
相続税対策ビジネスの視点(3)
相続税対策ビジネスの視点(2)
相続税対策ビジネスの視点(1)
相続数と相続税対策ビジネス
遺留分固定の中小企業経営承継円滑化法
農地の相続税納税猶予で農地貸付けは
相続税破産回避に売却換金
贈与額310万円で贈与税20万円
遺産取得課税方式
相続税の抜本改正
相続税は遺産取得課税方式
営業権への相続税株式評価
親の賃貸不動産。建物売買
贈与や親子間売買は年内
小規模宅地評価減は面積基礎控除
事業承継問題検討小委員会での遺留分
新聞報道「同族会社株の相続減税」
種類株式の相続税評価
保証債務履行が相続税対策
名義変更と贈与税課税
外国での生命保険金は一時所得
贈与税を払う相続税対策
バブル期の相続税対策
隠し録音テープで銀行相手の裁判
同族会社デットエクイティスワップ
相続税を意識した遺産分割協議
市街化区域内農地と小作料と離作料
終身定期金で相続税を減らす方法
賃貸建物贈与は負担付贈与に該当せず
相続税の連帯納付義務
相続税の必要経費化テクニック
遺留分放棄と相続時清算課税
清算課税贈与で賃貸建物の贈与
相続時精算課税と争族・破綻対策
相続時精算課税制度と資産家
不動産売買の引渡時期
代償分割と譲渡税
市街化区域拡大
古貸家の収益力
贈与税基礎控除の拡大
売却予定地は子供が相続
賃貸マンションは敷地次第
最高税率の引下げで相続税
市街地農地の耕作権
定期借家の相続評価
松下家と中内家の贈与戦略
相続税がかかるのか

項目:その他不動産関連
時効取得での名義変更

関連する項目
路線価評価相続評価
物納と相続税調査
相続対策と遺産分割
相続税対策申告

このレポートと同じ年分リスト
2009年リスト

■バードレポートは1ケ月に8回発行で月額2500円(消費税別)のFAXレポートです。2年経過分をインターネット上に公開しています。

■最近の見本紙数回分をFAX情報ボックスから、あなたのFAXに取り出せます。

■FAX情報ボックス
自動応答電話03-5972-9569(途中で聞かれるボックス番号は「1番」です)へお電話いただき、メッセージに従い、送付先のFAX番号を指定して下さい。

■FAX配信のみです。mail配信していません。
メルマガふたつ

[1]この頁の一番上へ
[2]前号レポート
[3]次号レポート
[4]携帯メルマガ
[5]有料レポート
[6]発行元情報
[0]TOPページへ

■項目一覧リスト■
不動産ビジネス手法
不動産賃貸経営
不動産と金融会計
定期借地権定期借家
不動産証券化
債務整理と企業再生
不良債権処理
債務処理の税務
相続税対策申告
路線価評価相続評価
物納と相続税調査
譲渡税買換特例
住宅税制住宅減税
固定資産税
税制改正
その他不動産税制
その他税制
相続対策と遺産分割
生命保険
その他不動産関連
その他
トピックス版2001年
トピックス版2002年
トピックス版2003年
トピックス版2004年
トピックス版2005年
トピックス版2006年
トピックス版2007年
トピックス版2008年
トピックス版2009年
トピックス版2010年
トピックス版2011年
トピックス版2012年
トピックス版2013年
トピックス版2014年
トピックス版2015年
バードレポート以外
メルマガ2012年
メルマガ2013年
メルマガ2014年
カネボウ劇場
発行元情報

■同じ発行年分のリスト■
2009年リスト
[1]この頁の一番上へ
[2]前号レポート
[3]次号レポート
[4]携帯メルマガ
[5]有料レポート
[6]発行元情報
[0]TOPページへ