バードレポート

他人の評価額を堂々閲覧できる固定資産税の台帳縦覧期間

[1]一番上へ [2]前号 [3]次号
2010年4月12日 第780号

昭和バブル前、土地の相続税路線価は公示価格の半分程でしたが、1992年に公示価格の80%水準に引き上げられました。

固定資産税評価額は公示価格の20-30%程度でした。旧自治省(現総務省)は1994年の固定資産税評価額を公示価格の70%にするという「暴挙」にでました。

相続税は自主申告です。路線価が高過ぎるならそれに従う必要はないし、相続税の課税対象はわずかな数の人だけです。

一方で、固定資産税は納税者自ら申告しません。全国津々浦々全ての土地を市町村が一方的に評価し納税通知書を対象とする全所有者に送りつけます。

また相続税路線価は毎年見直しですが、固定資産税評価額は3年に一度しか見直しません。

1994年は地価急落のど真ん中です。この時期でのこの制度はまさに「暴挙」。また当時は公示価格の7割といっても、その公示価格とは前年公示価格です。年に3割以上の地価下落なら最初から評価額は時価と逆転です。

「現場を知らないお役人」が机上で考えた、地価右肩上がり時にしか通用のしない制度です。

1994年の固定資産税評価額は全国平均3.02倍、東京23区平均4.6倍もの評価アップで、個別には10倍値上がりも出現します。

評価が過去のように公示価格の20-30%水準なら多少の個別評価ブレは問題とはされません。

しかし7割水準では、わずかな個別評価のブレで簡単に時価逆転です。この年は全国で2万件の「評価額が高過ぎる」という審査申出ラッシュとなりました。


課税現場は大混乱。難解な激変緩和措置で糊塗され、固定資産税額の手計算はもはや困難になります。「暴挙」の結末です。

市町村への制度支援をした大手航空測量会社と不動産鑑定士さんは暴挙で儲けられましたが。

固定資産税課税台帳縦覧制度



この暴挙が残したものに固定資産税課税台帳縦覧制度があります。以前から4月に市役所等にいけば自分の土地建物の固定資産税課税台帳を確認できるという制度はありました。

この制度には欠陥がありました。自分の土地建物の評価額等しか見ることができなかったのです。自分の土地建物の評価が、お隣等の評価と比べて高過ぎないかを確認できなかったのです。

2003年から自分の土地建物だけでなく、他人の土地建物も見ることができるようになりました。縦覧期間はかつて3週間程でしたが伸ばされました(2010年では東京23区は4月1日-6月30日、大阪市は4月1日-4月30日)。

赤の他人の土地建物評価額は普段は原則見ることができませんが、それを堂々と見ることのできる期間です。その地域の土地を有していれば地域の土地閲覧帳簿、建物を有していれば地域の建物帳簿すべてを閲覧できます。代理人でも可能です。

土地の縦覧帳簿には、所在・地目・地積・価格、家屋の帳簿には、所在・家屋番号・種類・構造・床面積・価格・建築年が記載されます(東京23区・大阪市の場合)。評価確認目的なので所有者名の記載はありません。


筆者はかつてこの制度を使い、超高級分譲マンションとその近隣の公団賃貸住宅の1uあたりの家屋評価額を比べました。何と後者の方が高い等の意外な事実に驚きました。

4月は各市町村でこの縦覧が行われています。(市町村により期間等が異なります。)

固定資産税路線価図の公開



固定資産税路線価図の公開も暴挙が残したものです(東京23区は1997年から)。

相続税路線価図なら路線価が付されない小さな路地にも、固定資産税では路線価が付されて詳細です。全土地に課税するためにその必要があるのでしょう。

相続税路線価は公示価格の8割水準、固定資産税路線価は7割ということを念頭に置けば、土地の価格査定・評価に際し、大いに参考になる資料です。


役所で閲覧できますし、現在では多くの市町村でネット上でも公開しています。

[1]一番上へ [2]前号 [3]次号
以下この記事の属する項目内明細…項目一覧は→項目一覧へ
項目:固定資産税
住宅用地の固定資産税
固定資産税課税台帳縦覧
固定資産税還付
固定資産税の台帳縦覧期間
固定資産税清算金は売買対価
固定資産課税台帳の縦覧制度
商業地等の固定資産税の引き下げ
時価を超える固定資産税評価額
固定資産税評価額を閲覧
非住宅として固定資産税課税
固定資産税精算金
工場店舗を住宅転用で固定資産税
固定資産税節税と分筆
固定資産税課税台帳の縦覧
固定資産税路線価公開
固定資産の評価下落

関連する項目
定期借地権定期借家
譲渡税買換特例
住宅税制住宅減税
固定資産税

このレポートと同じ年分リスト
2010年リスト

■バードレポートは1ケ月に8回発行で月額2500円(消費税別)のFAXレポートです。2年経過分をインターネット上に公開しています。

■最近の見本紙数回分をFAX情報ボックスから、あなたのFAXに取り出せます。

■FAX情報ボックス
自動応答電話03-5972-9569(途中で聞かれるボックス番号は「1番」です)へお電話いただき、メッセージに従い、送付先のFAX番号を指定して下さい。

■FAX配信のみです。mail配信していません。
メルマガふたつ

[1]この頁の一番上へ
[2]前号レポート
[3]次号レポート
[4]携帯メルマガ
[5]有料レポート
[6]発行元情報
[0]TOPページへ

■項目一覧リスト■
不動産ビジネス手法
不動産賃貸経営
不動産と金融会計
定期借地権定期借家
不動産証券化
債務整理と企業再生
不良債権処理
債務処理の税務
相続税対策申告
路線価評価相続評価
物納と相続税調査
譲渡税買換特例
住宅税制住宅減税
固定資産税
税制改正
その他不動産税制
その他税制
相続対策と遺産分割
生命保険
その他不動産関連
その他
トピックス版2001年
トピックス版2002年
トピックス版2003年
トピックス版2004年
トピックス版2005年
トピックス版2006年
トピックス版2007年
トピックス版2008年
トピックス版2009年
トピックス版2010年
トピックス版2011年
トピックス版2012年
トピックス版2013年
トピックス版2014年
トピックス版2015年
バードレポート以外
メルマガ2012年
メルマガ2013年
メルマガ2014年
カネボウ劇場
発行元情報

■同じ発行年分のリスト■
2010年リスト
[1]この頁の一番上へ
[2]前号レポート
[3]次号レポート
[4]携帯メルマガ
[5]有料レポート
[6]発行元情報
[0]TOPページへ