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国税局の会議資料から見えてくる…税務署別相続税調査実績

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2010年7月19日 第793号
税務署職員の転勤は毎年7月で、7月からが新年度です。各税務署部門責任者を集めての会議も7月から開催されます。
昨年の東京国税局での資産税部門統括国税調査官会議等の資料が情報公開法で開示されています。業務に支障があるもの(このような納税者についてはこのように対応する、相続税の不正財産調査報告での財産区分、等)は黒く塗りつぶされていますが、いろいろなものが見えてきます。

税務署ごとの相続税調査実績


東京国税局管内には84の税務署があります。各税務署ごと「相続税実地調査実績」が一覧になっています。各税務署での年間相続税調査件数は数10件です。
一番多く相続税調査をしたのは世田谷税務署で91件です(一番少ないのは山梨県の鰍沢税務署の5件)。世田谷税務署の年間計画は86件であり達成割合は105.8%とあります。うちで課税漏れ件数は70件、調査件数のうち76.9%です。課税漏れの課税価格(税額ではありません)は合計で20億円、1件当たり2245万円。このうち隠蔽や仮装があるとして重課税の対象となった件数は11件で12.1%でした。
税務署で相続税と譲渡税を担当する部門は資産課税部門といいます。資産課税担当の特別国税調査官といったスタッフもいます。世田谷税務署では資産税部門関連で約25人の陣容です(鰍沢税務署は2人)。業務は相続調査だけでなく譲渡所得も担当、大多数の問題ない申告等についての相談事務処理も受け持ちます。調査に従事するのはその6-7割ではないでしょうか。
なお世田谷税務署の資産課税部門では土地売却等の譲渡所得について60件調査しており約10億円の課税漏れを処理しました。
興味深いのは重課税の対象となった件数の割合です。世田谷税務署は前述のように12.1%。東京国税局平均は8.6%。この割合が異様に高い税務署があります。千葉南税務署37.5%、茂原35.7%、西新井29.2%。
千葉南では24件の税務調査に対し9件を重課税対象にしました。少ないのは立川税務署で64件調査しわずか1件、1.6%です。
「重課」は隠蔽や仮装での重課税であり、それは調査官にとっては勲章であり成績です。ただし調査の現場では課税の境界は微妙なことも多々あります。
調査を受ける側にとっては不運なことに、これら税務署に剛腕調査官がいたのでしょうか?。調査官の転勤は激しいですから、その剛腕が今どこの税務署にいるかはわかりませんが。

将来の相続税への資料収集


会議資料からは税務署が様々な資料を保管していることが分かります。例えば昔の地価税の資料です。「平成9年分の地価税関係書類について…将来の相続税の課税資料として活用する観点から、(…黒塗りで不明…)について蓄積資料を作成する。」とあります。黒塗りで不明ですが、一定の資産家については資料をずっと残しておくということなのでしょう。
各税務署で「高額な相続税事案等連絡せん」を作成し国税局に送り資料として残しています。対象は、総資産価額の合計50億円以上の相続税事案、受贈財産が1億円以上の贈与税事案、または署名人がかかわる事案です。
また相続税贈与税で課税漏れ財産が300万円以上あれば「資料情報活用事績回報書」を作成し、他の部門へ回報されます。これは「資料情報の収集意欲の高揚に資するもの」だそうです。
次の該当者は継続管理対象者とし「システムに確実に入力すること」とあります。相続税納税猶予適用者(農地相続)、取得価額引き継ぎ(買換特例等の適用者)、借地権の使用貸借確認書等提出者(親の敷地で子の建物等)…。将来の課税漏れを回避するためでしょう。
内容不明ですが「継続2管理事案」や「大口資産家管理カード」といった文言もでてきます。
資産家について税務署がいろいろと資料収集しているということは間違いありません。


大口資産家と超大口資産家についての税務署マニュアル2007年6月4日 第643号


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