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銀座三越による銀座4丁目再開発…道路付替えと容積率アップ

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2010年10月25日 第806号

建物の中を道路が通る


シカゴの巨大なビル(シカゴ中央郵便局)の中を6車線の高速道路が走り抜けている風景を見て筆者は驚いたことがあります。ビルにトンネルが空いており自動車が突き抜けていました。

6車線でなく2車線ですが同様の光景が坪1億円と言われる銀座4丁目交差点で見られます。新館を建て替えた銀座三越です。

新館と本館等二つの売り場間に道路がある百貨店では、道路上に連絡ブリッジを渡します。

しかし銀座三越は連絡ブリッジではなく、道路上も建物にしてしまい新館と本館をつなげて一つの建物にしました。

新館と本館を隔てる公衆用道路(区道)120坪は廃道の上で区から三越に所有権移転しました。


本館・旧新館・旧道路敷地が一体化しました。旧新館と旧道路敷地に新しい新館を建築し、銀座通りに面する既存本館と連結し一体の建物に仕上げました。

旧道路上の1階と2階部分はトンネル状にして、そこを道路(通路)が貫通します。道路上に連絡ブリッジを渡すのではなく建物内に道路を貫通させます。その先にはまだ区道が続いているので、建物内を車が走り抜けます。道路上3階から8階は連絡ブリッジでなく売り場建物です。

旧道路上1階2階部分の建物内道路は区道ではなくなり私企業の三越が管理する通路です。

将来に渡り道路機能を確保するために、区分地上権(空中権)を設定し東京都中央区が所有する方向で調整中のようです。

銀座の百貨店は既存不適格


東京銀座の百貨店の建て替え等は大変です。この三越本館を含めてほとんどが既存不適格(容積率オーバー)だからです。

容積率800%なので外観からは問題なしに見えますが、地下が深くその床面積が広いのです。

三越本館は地下3階までが店舗で、商品在庫等バックヤードが地下6階まであります。

建て替えに隣接地取得で容積率を確保するか、道路を超えて近隣地の容積率を移転させる必要があります。そうでないと縮小建て替えになってしまいます。

三越は道路を隔てた旧新館周辺の土地を集めた上で都市再生特別地区の都市計画決定を受けました。地元の東京都中央区も銀座活性化のために区道の廃道とその建物敷地化に応じました。


全体で容積率775%のところ1300%に大幅割り増しの一体の土地になり、既存不適格を解消した上で店舗面積は1.8倍です。

さて廃道の見返りに三越は同面積120坪の裏の土地を提供し区所有の公衆用道路にしました。

別の区道に接する土地の提供です。つまり区道の付け替えですが、元々が区道の道路面なので実質は建物のセットバックです。このセットバック部分は地下駐車場の進入路がつくられていて、「これが付け替え道路?」。とても道路には見えません。

後述のように都市計画駐車場も設けましたが、ほとんどは三越のための地下駐車場で、その進入路が付け替え道路なのです。

三越側はいろいろ見返りを提供しました。地下399台の駐車場の内96台が都市計画駐車場で一般来訪者に開放します。

新館9階を公共広場「銀座テラス」としました。数多くのベンチやテーブルが置いてあり自由に使える心地よい広い公共空間で、カフェもあります。

もっとも利用者の99%は「三越の買い物客専用休憩所」と思っているはずで、地域の公園同様の公共スペースとは思っていないでしょう。夜11時まで(10階以上のレストランと同様)開いておりエレベーター1台は9階まで直通運転となっていました。

不動産錬金術


不動産価格は容積率100%当たり幾らと計算することがあります。容積率が倍になれば建物も倍になるので価格も倍です。

容積率割り増しは錬金術です。廃道により、隣のブロックの土地まで含めて銀座通りに面した一団の土地になり、その旧道路上も建物を建てられました。銀座4丁目交差点での錬金術です。






「街並み誘導型地区計画」で容積率緩和…「銀座」建替促進策1 998年9月14日 第223号





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