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マイホーム売却損の損益通算繰越控除で税メリットを

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2012年6月4日 第883号

マイホーム売却損の損益通算


昔からサラリーマンのマイホーム売却損は繰越控除ができませんでした。昭和バブル期でのマイホーム売却損4000万円で所得1000万円なら売却損の内1000万円はその年の所得と損益通算(現在は原則不可)し残った3000万円は切り捨てになりました。

ただ不動産は値上りすると信じられた時代なので売却損は問題とならなかったのでしょう。

しかし1990年代、昭和バブル崩壊でマイホーム値下がりとローンの重圧に苦しむサラリーマンが急増し、それを苦にしての自殺も目立つようになりました。

そこで1998年税制改正でマイホーム売却損について3年間繰り越しを認めました。残った売却損3000万円は翌年以降3年間に繰り越せます。税金は売却年を含め4年間タダにし、借金整理を税から支援…苦しいサラリーマン国民を救うための素晴らしい特例に一瞬思えました。

しかし条件が付されていました。「住宅ローンで新マイホームを買うこと」。苦しい国民個人を自殺から救う人道支援救済でなく、値下がりとローンで苦悩する国民に更に借金させ物件を買わせ、デベロッパー救済と景気回復を図る火事場泥棒税制・人でなし税制改正でした。


この特例は改正を経て現在に続いています。折角なのでうまく使いましょう。

1月1日での所有期間5年超、床面積50u以上の新マイホームを10年以上の住宅ローンで譲渡年の前年当年翌年に取得、所得制限、親族間取引制限等あります。

8000万円で買ったマンションが4000万円に値下がりしています。さて同じ間取りのお隣住戸が4000万円で売りにでました。

お隣住戸を4000万円で買いましょう。自己資金に余裕でも100万円だけは住宅ローンにします。引越後に従来マンションを4000万円で売却し、4000万円の売却損(償却等無視)を確定させます。

外見上はお隣に移っただけ。しかし税務上は自宅売却で4000万円の売却損が生じ住宅ローンで新マイホームを買ったのです。

つまり特例の対象となり所得1000万円なら4年間は所得税住民税ゼロ、4年間の税メリットは1000万円近くにはなります。


住宅ローン残高で損益通算


さてサラリーマン国民の命まで差し出すこの火事場泥棒税制、さすがにお役人も人として恥じたのか、その後に多少はまともな税制を付け加えました。

新マイホーム購入なしでもOKの特例です。給料が下がり、ローンが払えずに任意売却して売却代金を銀行に返済し、賃貸に住まいを移した場合などです。

売却損のうち最大で「住宅ローン残額−売却額」つまり「全額返済に回して残るローン額」の損益通算繰越控除を認めます。

譲渡契約前日に売却マイホームについての住宅ローンの残高があることが条件です。所有期間5年超等の様々な要件もありますが、売却後の残債の処理への制約や条件はありません。

売却損が4000万円、住宅ローン残高から売却額を引いた金額が3000万円なら、いずれか少ない方で3000万円が損益通算繰越控除の対象となります。売却損4000万円で、ローン残高から売却額を引いた金額が5000万円なら対象は4000万円です。

苦労して繰上返済を続けたり、退職金等で一括返済しローン残高をなくした人は使えません。

近々の売却を検討中なら繰上返済は控えるのも選択肢です。

給与所得等への税率が30%とすれば残債100万円について30万円の税メリットです。その100万円を繰上返済した後の売却ならこの税メリットは消えます。

「譲渡契約締結日の前日」における住宅ローン残高が対象ですので、契約締結日あるいはそれ以降にその100万円は返済に充当すればいいのです。

もし数年後に定年退職するのなら、所得のあるこの数年間がラストチャンスです。退職金の退職所得(特例に所得制限あり)とも通算できます。所得がなくなれば税メリットは活きません。


引越後3年経過の大晦日までは賃貸中でも居住用財産の特例2012年5月28日 第882号




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