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引退後の住み替えは定年前と定年後とどちらが有利か

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2015年3月23日 第1018号

所得あるうちの自宅売却損


大企業は55歳か60歳で役職定年や定年退職。再雇用なら給料激減です。住み替えを高給料時に節税を兼ねて実行します。

昭和バブル期に郊外一戸建てをローンで買った世代です。

子は独立、値下がり戸建てを処分、利便性のいい都市部のマンションに住み替えます。さて定年の前と後、いつ実行するか。

自宅売却で売却損2000万円です。この売却損の赤字と、給与所得や退職所得の黒字とが、損益通算できれば税金が減ります。

自宅売却損は原則では損益通算不可です。しかし一定条件なら、売却年の給与所得等とまず通算し、引き切れなかった赤字は以降3年間に渡り翌年に繰越控除できます。合計で4年間は給与所得等から引けるのです。

年収700万円のサラリーマンAさん。年収700万円なら給与所得控除後の給与所得500万円(厳密には510万円)。扶養家族なしで所得税住民税70万円です。

60歳定年を前提に57歳で売却住み替え実行です。戸建て自宅売却後に住宅ローン付(自己資金があっても最小限のローンを付けるのがポイント)でマンション自宅を購入し移り住みます。

売却損つまり赤字は2000万円。

まず57歳の売却年は、給与所得500万円から控除しこの年の所得ゼロ。残赤字1500万円は翌年に繰越します。58歳の所得500万円から控除し残1000万円。59歳60歳と順次繰越して控除です。

売却損2000万円は4年間の所得各500万円から控除して、4年間は税金ゼロになります。つまり4年分280万円の税金がお得。


4年間毎年70万円のはずの税金がゼロ(所得税還付、住民税所得割は減)。定年後の61歳になってから売却しても年金は別にして所得がなければ減る税金もありません。4年内なら退職金退職所得からも控除できます。

引退後に戸建てからマンションに移り住む人生設計を描くサラリーマンには、住宅の売却損を最大限有効に使うための期限があるのです。売却損が所得何年分になるのか。売却損1500万円で所得500万円なら3年分です。60歳定年なら58歳が売却期限、売却損を3年間で使い切ります。

売却損の損益通算と繰越控除


自宅(戸建て・マンション)売却損が使える一定条件とは次の(1)(2)です (他に所有期間や所得制限等があります)。

(1)旧自宅売却して、住宅ローン付で新自宅を買った場合

新規取得の自宅(買換資産)を売却年の前年・当年・翌年に取得、家屋面積50u以上(専有(壁芯)面積でなく登記面積)、新規住宅ローン付(たとえわずかでも)、条件です。売却損の全額が損益通算繰越控除の対象です。

(2)旧自宅売却額で既存住宅ローンを全額弁済できない場合

賃貸物件居住や親からの相続住宅に居住なら、買換資産の取得が無く、(1)に該当しません。買換資産取得が無くても既存住宅ローンが残っていて、残債が売却金額では全額弁済できない場合に通算繰越ができます。ただし売却損の全額ではなく、ローン残債から売却額を引いた金額が通算繰越の対象(売却損が限度)です。つまり住宅ローンを返済済みなら使えません。

売却損とは土地原価と減価償却後建物原価と売却経費の合計額から売却額を引いた金額です。

自宅建物の償却計算は本来耐用年数の1.5倍(本来22年なら33年)での定額法です。築30年超木造は建物原価ほぼゼロです。

旧自宅を空家や貸家にしていても住まなくなって3年目年末までの売却なら使える制度です。

原価8000万円の自宅マンションが4000万円に値下がりでの、積極的な節税策。同面積で同間取りの隣室が売りに出ました。自宅を4000万円で売却し、一部ローンでお隣を4000万円で買って住み替え。高所得時に含み損を実現損に替え節税します。

年収500万円なら給与所得は346万円で税金(扶養なし社保概算)約40万円、700万円なら510万円で約70万円、年収1000万円なら所得780万円で約150万円。

年収1000万円で売却損3120万円(780万円×4年)なら4年分600万円(150万円×4年)の節税です。

引越後3年経過の大晦日までは賃貸中でも居住用財産の特例 2012年5月28日 第882号


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項目:譲渡税買換特例
自宅売却損
2009-10年のマンションなら売却益1000万円非課税
相続税取得費加算駆け込み売却
取得費加算の期限の延長法
相続土地非課税売却の行方?
引越後3年の3000万円控除
9号買換(事業用買換特例)
事業用買換特例(1号買換)の変貌
年内引渡と来年の売買契約の税務
相続と取得買換土地の簿価引き上げ
買換物件の原価や償却はどうなるのか
取得費引き継ぎ…昭和バブル期不動産
借金返済土地売却の譲渡税非課税
土地先行取得
土地先行取得による課税繰延
新規取得土地1000万円特別控除
固定資産税清算金と譲渡所得
譲渡所得と引渡基準・契約基準
事業用資産買換特例の期限
資力喪失で譲渡税非課税
保証債務履行で不動産売却
相続税の取得費加算の期限半永久化
相続税の取得費加算と固定資産交換特例
相続税の取得費加算は遺産分割次第
相続税取得費加算
賃貸不動産と3000万円特別控除
売却損でも譲渡税課税…買換特例
値上がり元自宅と値下がり現自宅課税
事業用資産の買換特例期限
マイホーム譲渡税と配偶者贈与
値下がりマイホームの売却は譲渡損
居住用特例は所有者として居住
居住事実の税務調査
転居後自宅の居住用3000万円控除
事業用資産買換と税制
値上不動産や株式の所有者
不動産売買での譲渡所得は引渡基準
保証債務履行の土地売却を非課税に
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マイホーム売却損の損益通算
事業用資産の買換特例の延長?
遺産分割次第の自宅売却の譲渡税
マイホーム売却損益通算
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事業用資産の買換特例の行方
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