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アパート賃貸借ならインターネットで重要事項説明

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2015年5月25日 第1026号

医薬品ネット販売騒動は2年前。対面販売かネット販売か、楽天三木谷氏vs厚労省薬局業界の戦い。今度は不動産です。

2013年にIT総合戦略本部のアクションプログラムには「不動産取引における重要事項説明に際しての対面原則の見直し」。

対面重説だけでなくIT(ネット)重説を認めるか、契約書を紙でなく電磁的方法で認めるか…国交省に検討を求めます。

不動産分野は2週遅れだ


国交省IT重説検討会は、IT推進の新経済連盟(三木谷氏側)vs現状維持の国交省不動産業界。

新経済連盟は「医薬品はネット販売、金融商品は契約書面電子化、不動産分野は2週遅れだ。」

国交省は紛争事例を示して「トラブルが増加しますよ。」


不動産取引は個別性とリスクです。ネットだけでの重説は現行IT環境では無理だし、リスクが大き過ぎる。図面などの詳細な説明は困難。瑕疵担保責任もあるし、現地でしっかり対面説明は必須。それに現地案内をした客が契約では格安ネット業者に流れるかもしれない。現地確認もしないオレオレ詐欺的な「なりすまし業者」をどう防ぐ…。

従来からも重説はトラブルの宝庫です。ネット容認なら格安業者乱立でトラブル増確実…国交省も業界も…「やりたくない」

そんな国交省がまとめるのですから、2015年1月「最終とりまとめ」はITに後ろ向きで、「重説はこんなに大変でネットなんかじゃ無理だ」とも読めます。

ただアパート賃貸仲介ならITを避けられず、日本賃貸住宅管理協会だけはIT解禁を求めます。

テレビ会議を使ったIT重説テストを済ませ、賃貸取引と法人間取引について社会実験を2年間行うことにしました。
個人が関連する売買取引は対象外です。

ネット重説の社会実験


2015年5月14日にネットでのIT重説マニュアルとなる「社会実験ガイドライン」の公表です。

社会実験参加の不動産業者を募り、個別取引顧客を募り、実際の取引での、非対面の、ネットでの重説を行い検証します。

「やりたくない」国交省主導ですから読めば読む程「やりたくなくなる」面倒なやり方です。

まず「紙」の重要事項説明書(35条書面)を事前作成し取引士(旧主任者)が記名押印し顧客に事前送付です。IT重説についての「紙」の同意書も顧客に事前に送付し記名押印返送(又は電子署名)してもらいます。貸主からも同様の同意書を取ります。

IT重説とはネット上でのテレビ電話等による重説です。「メールやり取りだけ」ではダメ。

まず顧客の回線・カメラ・ソフト・PC等のIT環境を確認。

重説は全て動画に残す一方で、顧客側は勝手な録画録音は禁止され、取引士の同意が必要です。

「録画される映像は、説明の相手方及び宅地建物取引士の顔の表情が判別できる品質であること、及び提示される身分証及び取引士証の記載内容がわかる品質である必要がある。映像には、顔の一部だけではなく全部が映るようにする必要がある。」

これと別に「紙」の契約書(37条書面)をやり取りし、実務では「紙」の重説に署名押印してもらい返送してもらうのです。

こんな面倒なIT重説を一体誰がやる?面倒だからと実績ゼロなら狙い通りIT化を阻止?

実績件数の確保のために「IT重説なら仲介料ゼロ」としたくても、IT重説だからとの値引きや景品提供は禁止されました。


ただ賃貸仲介業務ならネット利用なしはあり得ないので、この社会実験から避けられません。

更にその先の変化は


一気に上場を果たしたネット専業のライフネット生命の2014年度新契約数は前年比4割減。

キーボードパソコンの操作性ならネットでの保険の重説や契約締結も容易です。しかしスマホ全盛になり、その小さな画面での操作による契約作業は面倒過ぎます。消費者にソッポを向かれ業績ガタ落ちです。

ネット生保はネットだけでなく銀行や保険代理店と提携、窓口販売や対面販売を拡充します。

「不動産が2週遅れ」であれば、これからの変化は急です。



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金利上昇は不動産値下がり
耐震診断義務と耐震安全マーク
新築マンション消費税増税駆け込み
耐震不足による更新拒絶
平成の鬼平の教訓
都心部からの不動産値上がり
生産緑地の期限到来
ペーパー資産と日本の不動産
フラット35利用者
工場跡地売買は土壌汚染リスク
不動産市場にジャブジャブのお金
道路付替えと容積率アップ
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首都圏での中古マンション在庫
ジャブジャブお金流入不動産
民主党住宅政策対応ビジネスに
住宅版エコポイント…リフォームと新築住宅に国費1000億円
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